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任天堂がE3で「Wii U」公開、「スーパーマリオ」新作も投入へ

任天堂<7974.OS>は5日(日本時間6日)、米ロサンゼルスで開幕した世界最大のゲーム見本市「E3」で次世代の据置型ゲーム機「Wii U」の最終形を公開した。

また、同機の発売にあわせて人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの新作を投入すると発表した。今年の年末商戦に投入する新型機の販売を「マリオ」効果で押し上げたい考え。

「Wii U」は6.2型のタッチパネル液晶を搭載したタブレット型コントローラー「ゲームパッド」が付属しているのが特徴。任天堂の宮本茂専務は現地時間5日の記者説明会で「ユーザーが自分専用の画面を持つことでテレビから自立し、ゲーム機の歴史も変わる」と述べた。

任天堂は、Wii Uの投入で巻き返しを図る構え。現行機の「Wii」は、競合する米マイクロソフト<MSFT.O>製「Xbox」やソニー<6758.T>のゲーム子会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)製「プレイステーション3」に販売台数で追い越され、任天堂は2012年3月期に初の営業赤字を計上。株価も大幅に下落していた。

昨年のE3で初めて公開されたWii Uに対する市場の反応はこれまでのところ鈍いが、ゲーム業界は6年ぶりの新しい据置型機投入に沸いている。フランスのユービーアイソフト<UBIP.PA>は4日、同機向けに8作品を開発していると発表。開発幹部の1人は、2個のスクリーンから1つのゲームへの参戦が可能なことが魅力と指摘。同社の新ゲーム「ゾンビU」では、参加者の2人が同時に異なる動きができるモードを開発したという。

ただ、任天堂はE3の場では、Wii Uやマリオシリーズの発売日を明らかにしなかった。

<自社ソフト投入、Miiverse活用も>

任天堂がWii Uのスタートダッシュをねらって投入する自社ソフトの名称は「NewスーパーマリオブラザーズU」。また、人気のフィットネスソフト「Fit」シリーズの「Wii Fit U」も同時に投入する。タブレットコントローラーの「ゲームパッド」を使用する。

Wii Uでは、システムの電源を入れると最初にソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の「Miiverse(ミーバース)」がテレビ画面に映る。ゲーム友達や、見知らぬ人も参加する中で、人々が交流するメインストリートのイメージという。ミーバースは、ブラウザベースで表示するため、3DSやパソコン、スマートフォンなどインターネットが利用できる端末で参加できる。

またミーバースのSNS機能を利用したWiiU向けの自社ソフトとして「ニンテンドーランド」も同日発売すると発表。「どうぶつの森」「ゼルダの伝説」「ルイージマンション」「ドンキーコング」など人気ゲームをテーマにした12種類のアトラクションで構成し、プレーヤーがミーバースのキャラクター「Mii」になって参加するゲーム。SNSの世界中のユーザーがテーマパークに遊びに来るイメージで開発したという。

<ビデオ・オン・デマンドも開始へ>

米国任天堂のレジナルド・フィサメィ社長は同日のプレスミーティングで、Wii Uについて「リビングルームに革命をもたらす」と話し、DVDレンタルのネットフリックス<NFLX.O>、インターネット小売り大手のアマゾン・ドットコム<AMZN.O>、グーグル<GOOG.O>のユーチューブ、動画配信サービスのHulu(フールー)と契約を結んだことを明らかにした。4社によるビデオ・オン・デマンドは、Wii Uの発売開始直後にサービス開始の予定。

またフィサメイ社長はWii Uについて「Wiiはハードなゲームプレイヤーから初心者まで、誰でも楽しむことができることを目指した。Wii Uの目標も同様だ」と述べて、Wii Uでも「ゲーム人口拡大戦略」を続ける考えを示した。

任天堂の岩田聡社長も、プレスミーティング後のロイターとのインタビューで「お母さんからみたときのWii Uの魅力、お父さんから見たときのWii Uの魅力、子供たちから見たときの魅力と、いろいろな角度でアピールしていく」と述べ、コアユーザーにとどまらずにゲーム人口を拡大していく考えを示した。さらにビデオ・オン・デマンドなどコンテンツサービスは「きょうはE3なのでゲームの話を中心にしたが、そういうサービスは次々とWii Uの上で可能になっていく」と述べた。
by maxtange | 2012-06-06 12:39
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